ドラクエが起こした社会現象

第一作目であるドラゴンクエストが発売されてから36年、子どもから大人まで幅広い年齢を夢中にさせるドラクエシリーズ。

そんなドラクエシリーズの中で、日本全土を巻き込んだ社会現象を起こしたソフトがあったのをご存知でしょうか。

1988年2月10日に発売された、ファミコン専用ソフト『ドラゴンクエスト3』(以下、ドラクエ3)

当時爆発的な人気を出した本作は、ユーザーやゲーム業界に衝撃を与え発売日が延期されたにも関わらず、話題が収まることはありませんでした。

人気を集めた作品だからこそ、社会に与える影響も高くなり言ってしまえば、たかがゲームソフト一本に対してする行動としては過剰になりますね。

日本全土を巻き込んだこの社会現象は、ドラクエ3発売時に日本中をフィーバーさせるほどの賑やかさを発生させました。

本記事は未だ人気を誇るドラクエシリーズが、多くのプレイヤーに愛される理由や当時の社会に与えた影響を詳しく知ることが出来ます。

当時を知る人や知らない人も、ドラクエが起こした社会現象を振りかえって一緒に追憶の冒険をしましょう。

●こんな方に読んでいただきたい記事です。

・「ドラクエシリーズ」が起こした社会現象が気になる。

・「ドラクエシリーズ」発売当時の様子が知りたい。

ドラゴンクエスト3とは

発売当日の様子はパニックだらけ

学校をズル休みする生徒が続出する事態に

窃盗や恐喝などの犯罪が多発してしまう

売れないソフトとの抱き合わせ販売が横行

週刊誌に盛大なネタバレをされる

それでは一つずつご紹介していきますね。

ドラゴンクエスト3とは

(引用元:https://www.jp.square-Enid.com)

ドラゴンクエスト3は、エニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたドラクエシリーズの第3作目で、本作のキャッチコピーは「触れたら最後、日本全土がハルマゲドン」。

本作は、RPGとして新しいジャンルの先駆けを起こしたドラクエシリーズの続編であるため、他のファミコンソフトより人気が凄まじいものとなりました。

日本のソフト売上本数は380万本を超え、前作のドラクエ2が240万本で売上の差が約100万本となり当時のファミコンソフトでは30万本売れればヒット商品と言われるので、本数からもわかるように史上初の売上本数を記録しました。

物語は、前2作「ドラクエ」「ドラクエ2」とともにロトシリーズの完結編であり、主人公が大魔王バラモスを倒すためにアレフガルドを旅する事になります。

キャッチコピーにちなんで、ドラクエ3が起こした社会現象は日本全土がハルマゲドンと言われ発売日が平日という事もあり、ソフトを買いに大人や子供も販売店へ向かう大行列ができる程でした。

発売当日の様子はパニックだらけ

(引用元:https://mainichi.jp)

前作ドラクエ2の発売時には、販売店によりますが1日5000本販売だったので店頭にも余裕がありましたが、ドラクエ3発売日は前日の夜から並ぶ徹夜組が現れるほど長蛇の列になりました。

販売店が徹夜組に対応するためか、ドラクエ2では配置しなかったスタッフを前日から呼んで行列整理の対応をする店もあるほどです。

ソフトの発売日が平日であったにもかかわらず、1日1万人以上の行列ができてしまいテレビでも連日放送されるようになり、徹夜で並んでいるためか「不眠列島」と番組のタイトルをつけて放送するテレビ局も出てきました。

行列の内訳としては、ソフトを購入したい児童や学生、子供に学校を休ませるわけにはいかんと代わりに買いに来た親御さん、仕事を有給休暇で休んだ会社員など世代を選ばない顔ぶれでした。

販売店は長蛇の列に対応するため、整理券を配り開店時間より早い50分前から販売を開始するなど対処を行いましたが、1万人以上に販売できるソフトを確保する事など不可能だったのか、通常の開店時間にはソフトが売り切れになることもあるほどです。

予告せずに開店時間より早く販売を開始したので、通常の開店時間に購入しに来たお客さんや、授業が終わって駆けつけた学生は買えませんでした。

当時ソフトを販売していたヨドバシカメラが、整理券を1日1,500枚配ったにも関わらず約1時間で販売終了になったのは衝撃の事態と言えるでしょう。

ドラクエ3を手に入れたくて真冬の寒いなか並んだのに、目の前で販売終了を宣言された子供たちの表情は、この世の終わりを表現した絶望する表情をしたり、なかには買えなかった不満で今にもザキを唱えるのではないかと思える人もいたほどです。

学校をズル休みする生徒が続出する事態に

(引用元:https://www.jp.square-Enid.com)

発売日が平日の早朝なので、本来なら子供たちは学校に行く時間ですが不思議なことに並んでいた人たちの中には、ひと目見ただけで児童とわかる人影がチラホラ見えていました。

長蛇の列を取材していたレポーターが、児童に取材した場面では驚きの返答をされることになります。

レポーターが学校はどうしたのと聞いたら、返ってくる答えは「開校記念日」「試験」「休み」という理由がほとんどで、発売日にたまたま開校記念日や試験で休校になる学校が増大する事態になりました。

こういった事態を問題視した教育委員会が、学校をサボってソフトを買いに行かないようにと異例の通達を出しました。

教育委員会が通達を出すほどの事態だったのか、全国で283人が学校をズル休みして買いに来ていた小中高生が警察へ補導されることになります。

警察官の前で、悪びれる様子もなく「開校記念日だから休みです」と発言する姿は、悪い意味で勇者と言えるでしょう。

誰よりも早くソフトを購入しドラクエ3をプレイしたい、学校で自慢するつもりだったなど理由は様々ですが、少年少女が手に入れたのはソフトではなく補導歴でしたね。

学校で欠勤をする児童が増えたため、警察より当時のエニックスへドラクエ3を児童が購入できるように予約券の発行を要請したほどです。

現在では、前例を反省したのかドラクエ3以降のドラクエシリーズは、平日の販売を避けて休日に販売するように変更されました。

窃盗や恐喝などの犯罪が多発してしまう

(引用元:https://hiroba.dqx.jp)

一週間遅れると、先にプレイしている人についていけないと言われているほど難易度の高いドラクエ3。

競争率が激しいため販売店に並んでも品切れでソフトが買えず、犯罪に手を出してしまう人が多発しました。

そこで起きたのが、ドラクエ狩りと言われた事件でドラクエ3を買った小学生が帰宅中、自転車に乗った3人組の中学生に襲われ、小学生が驚いて転倒したさい落としたソフトを奪われるという被害でした。

また、同じく販売店でソフトを購入した少年の後を複数人で尾行して、購入したソフトを脅し取る被害が発生しました。

販売店では長蛇の列で並んでおり、次々と目の前でソフトを購入する人がどのような相手かわかるので、その中から力も弱く奪いやすい相手として子供を狙ったのでしょう。

人気ゲームで入手困難なソフトを購入した帰り道、喜び気分で帰っていたらソフトを奪われるとは誰も予想できません。

ゲームをプレイしたいという想いが、歪んだ形で現れてしまい世間でTVゲームは子供のおもちゃと考えられていたために、犯罪行為をしてまで奪われるという事件は世の中に衝撃を与えました。

売れないソフトとの抱き合わせ販売が横行

(引用元:https://store.jp.square-enix.com)

当時のファミコンソフトは、発売ソフトの売上が悪い時期が続き仕入れたソフトの在庫で悩んだ販売店も多く、処理方法としてドラクエ3を買いたい純粋な想いを悪用した販売手法を考え出しました。

違法行為である抱き合わせ商法と言われる手法で、売上の悪いソフトとドラクエ3をセットで販売する行為が横行していました。

売上の悪いソフトという言葉からもわかるように、お世辞にも楽しくないクソゲーと言われるものでソフト単体では売れ残ってしまいました。

当時はメーカーに返品するシステムがないので、買い切りとなり在庫としてお店に残る事になります。

インターネットがない時代のため、売れ残りのソフトを離れた場所にいる人へ販売することも不可能なので、ドラクエ3との抱き合わせ販売はアイデアとして普及してしまいました。

販売店にとっては、在庫処理に繋がり2台のソフトを合わせた売上を入手することになるので、ご飯が進み笑顔が止まらなかったでしょうね。

現在は公正取引委員会の指摘により、抱き合わせ商法で販売されるのは完全な違法行為として認識されていますが、当時は法整備もされていなかったため販売店では頻繁に行われていました。

ドラクエ3を購入するために、お小遣いを持って販売店に買いに行くと「購入したいなら他のソフトとセットじゃないと販売しないよ」と言われ買わされるわけです。

当然お金が足らずに諦めて泣く泣く帰ったり、欲しくもないソフトを子供たちは買わされることになります。

しかし、面白くないソフトとはいえ安くない金額で購入したからと、半ば使命感のようにプレイする子供もいましたね。

ソフト価格が5,900円というリーズナブルな価格ですが、子供たちのお小遣いから出費される金額として決して安くないお金であり、なおかつ他ソフトとセットで販売された値段では厳しいものがあったでしょう。

当時の公正取引委員会を動かし、法律を変えるほどの影響を与えてしまうドラクエ3は、ゲームソフトでありながら国家権力さえ動かした存在と言えるでしょう。

週刊誌に盛大なネタバレをされる

(引用元:https://store.jp.square-enix.com)

騒動の発端は、ドラクエ3が発売されてから1ヶ月後に週刊誌FLASHにてゲームの攻略法やラスボスの情報が記載されてしまった事件です。

本編のラスボスが、大魔王バラモスと発売時の宣伝で言われているなか「バラモスを倒すまで3分の2ぐらいなんだから」と重要なネタバレをしたうえに、トドメとばかりにスリッパを履いたモンスターの画像まで掲載されました。

いわゆる、ネタバレといわれる内容が1ヶ月も経過していないうちから盛大にやらかしてくれたので、当時のエニックスは抗議電話をFLASHにしたものの電話に出ず、最終的に発行元の光文社相手に損害賠償を求める訴訟を起こしました。

TVゲームがおもちゃと言われていた当時、週刊誌がゲームに関心を持ち内容のネタバレ記事を掲載されたことが、ドラクエ3が世間で話題の中心にされていた確かな証拠ですね。

まとめ

(引用元:https://store.jp.square-enix.com)

ドラクエが起こした社会現象を、あれより話題になった伝説的な社会現象はないと言われた、ドラクエ3を中心に紹介してきました。

当時の子供から大人まで、日本全国を巻き込んだ社会現象は今も語り継がれる内容になっています。

新作の発売が期待されるなか、今後のドラクエシリーズが前作を超えて未来に語り継がれる話題になるのが待ち遠しいですね。

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