『ドラゴンクエスト ライバルズ』(以下、『ドラクエライバルズ』)は、2017年にリリースされたスマホ用アプリで、2020年に『ドラクエライバルズ エース』に改称されました。
もともとは『ドラクエ10』のミニゲーム用に企画されていたそうですが、開発規模が大きくなってゲームとして独立したそうです。
キャラクターボイスに豪華声優陣がキャスティングされたことでも話題になり、一時期はアクセスが集中してサーバーダウンするほどの人気を博しました。
そんな大好評なゲームのはずでしたが、2021年7月にサービスが終了してしまうことに・・・。
今回は、そんな『ドラクエライバルズ』がどうして終了することになってしまったのかについて紹介していきます。
⚫こんな方に読んでいただきたい記事です。
・『ドラクエライバルズ』をプレイしていた方
・『ドラクエライバルズ』の終了理由を知りたい方
『ドラクエライバルズ』のゲームシステム
(引用元:https://www.dragonquest.jp/rivals/chara/)
まず、『ドラクエライバルズ』がそもそもどんなゲームだったのか、そのシステムを簡単に説明しておきますね!
一言でいうと、30枚1組のデッキを組んで対戦するデジタルカードゲームで、相手のHPをゼロにすると勝利できます。
どのキャラクターを選ぶかによって追加できるカードが異なり、発動できるスキルも違います。
そしてなんといっても最大の魅力は、人気声優によるキャラクターボイス!
これにより、たとえば声優好きな人がゲームをダウンロードするなど、純粋なドラクエファン以外のプレイヤーを獲得することにも繋がりました。
これが良かったのか、結果としてダウンロード数は1,000万を超えるほど人気に!
また、『ドラクエ』+カードゲームという今までにないチャレンジも興味を引いたのか、多くのプレイヤーが本作を楽しんでいたようです。
『ドラクエライバルズ』の終了理由
(引用元:https://www.dragonquest.jp/rivals/ace/)
キャラボイスなど、今までのドラクエにはない魅力が詰まった『ドラクエライバルズ』。
しかし、そんな本作がリリースからたった3年で終了することになるなんて、一体誰が想像できたでしょうか。
なぜサービスが終わることになってしまったのか、その理由を解説する前に運営側が公式に発表したコメントを引用してみましょう。
正直に言えば、力及ばずのサービス終了です。
(中略)
ありがたいことに、3年以上が経過した今でも
たくさんの方にゲームを遊んで頂いていますが、
やはり全体としてのプレイヤー数は減ってきており、
対戦ゲームのビジネスとしては継続が難しい状況です。DQRエースへのリニューアルは、そういう未来を見越して
ずいぶん前から着手していたプロジェクトでしたが、
コロナ禍による延期などがあり、
いよいよこれが最後のチャンスとなってきたなかで、
結果としてうまく軌道に乗せることができませんでした。(引用元:https://cache.sqex-bridge.jp/guest/information/75757)
内容を要約すると、プレイヤー数が減ったことで収益が見込めなくなり、採算がとれなくなった、といったところでしょうか。
これ以上のことは語られていませんが、この公式発表をきっかけにして、プレイヤーの間では本作の終了理由に関して様々な考察がなされるようになりました。
その内容を大きくまとめると、次の4つです。
- 課金メリットがない
- ドラクエなのにドラクエ要素がなかった
- 英雄カードの存在
- 類似ゲームが多い
1つずつ解説していきますね。
課金メリットがない
(引用元:https://www.dragonquest.jp/rivals/special/)
『ドラクエライバルズ』が終了してしまった理由の1つ目として考えられているのは、課金メリットがないということ。
オンラインゲームと聞くと、課金することで他の人よりも得をするシステムをイメージしますよね。
ところが、『ドラクエライバルズ』には無課金の人でも利用できる「錬金」というシステムがあり、これを使えば強いデッキを作ることができるのです。
せっかく課金しているのに無課金組とあまり強さが変わらないのであれば、正直なところわざわざお金をかけてまでプレイしたいとは思わなくなりますよね。
アプリの運営を続けていくためには課金プレイヤーの数を増やすこと、つまり収益を伸ばすことが欠かせません。
にもかかわらず、課金組と無課金組とであまり強さに差がなかったことが、課金組のプレイヤー離れを起こす原因になったのではないかと考えられています。
ドラクエなのにドラクエ要素がなかった
(引用元:https://www.dragonquest.jp/rivals/chara/card.html)
『ドラクエライバルズ』が終了してしまった2つ目の理由として考えられるのは、ドラクエなのにドラクエ要素がなかったということ。
『ドラクエライバルズ』は対人用カードゲームですから、当然相手とのカードバトルをひたすら繰り返していくことになります。
純粋なドラクエファンはそもそもRPGが好きという方が多いでしょうから、ただカードバトルを繰り広げていくだけの本作はRPG要素がなく、つまらないと感じたかもしれません。
結果、本来のドラクエのようなRPG要素を期待していたファンからすれば裏切られたような気持ちになり、ゲーム離れを起こしてしまったと考えられます。
そんな従来のプレイヤーに配慮したのか、リニューアル時にはソロプレイができるストーリーモードが追加されました。
ボスバトルまでに登場するモンスターの数が少なくて飽きてしまったり、バトルテンポが遅くてイライラしたりと、結果的に評判は良くなかったのです。
本来のドラクエでもなかなかストーリーが進まなくてイライラすることはよくある話。
カードバトル主体のゲームでもそんなイライラを経験しなければならないとなると、プレイヤーとしてはなかなか遊ぶ気にならなくなってしまいますよね。
ヒーローカードの存在
(引用元:https://www.dragonquest.jp/rivals/cardpack/5/)
『ドラクエライバルズ』が終了してしまった3つ目の理由として考えられるのは、ヒーローカードの存在。
本作の終了理由の1つ目として先ほど「課金メリットがない」といいましたが、このカードが登場してからは一転し、無課金組のプレイ意欲を削いでしまうことになりました。
というのも、このヒーローカードは課金しないと入手できないのです。
その上、ヒーローカードは通常のカードと違って錬金ができません。
それまで錬金システムで強いデッキを組めていた無課金組にとっては、ヒーローカードの登場はまるで自分たちの存在を切り捨てられたかのように感じてしまうことに。
ところが、調べてみると実際には無課金組だけではなく課金組にとってもヒーローカードはあまりメリットがなかったそう。
どんなに課金してパックを引いてもなかなかヒーローカードが手に入らないことから、そのままプレイを辞める人が続出する結果になってしまったのでした。
類似ゲームが多い
(引用元:https://www.konami.com/yugioh/duel_links/ja/)
『ドラクエライバルズ』が終了してしまった4つ目の理由として考えられるのは、類似ゲームが多いということ。
本作がリリースされた2017年には、すでに他のカードゲームアプリがたくさん登場していました。
『遊戯王』シリーズに代表されるように、カードゲームに特化したアプリは知名度も高く、ゲームシステムもきちんと確立されているものが多いです。
カードゲームが好きな方にとっては、わざわざ業界初参戦の『ドラクエライバルズ』でプレイするよりも、他のアプリで楽しみたいと思うのは自然なことだったのではないでしょうか。
まとめ
(引用元:https://www.dragonquest.jp/rivals/news/)
『ドラクエライバルズ』のゲームシステムと、サービスが終了してしまった理由について解説してきました。
ドラクエ+カードゲームという組み合わせはとっても斬新なものではあるけれど、純粋にRPGを楽しみたいというドラクエファンにとっては相性が良くなかったかもしれません。
また、すでにカードゲームに強いアプリがたくさん出ている中で本作が登場したのは大きなチャレンジですから、このこと自体は評価すべき点だと思います。
ただ、課金・無課金のサービス内容が良くなかったり、「ドラクエらしさ」があまり感じられなかったりと、改善すべきところもたくさんあったのもまた事実。
もしまた同じようなアプリがリリースされることがあれば、次は期待したいですね!