ドラゴンクエストシリーズの中でも特に深い物語と世界観で知られる「天空シリーズ」
長年のファンに愛され続けるこの3部作には、表面的なストーリー以上の深いつながりが隠されています。今回は、その謎めいたつながりをとことん解説します!
天空シリーズとは?その魅力と特徴
ドラクエシリーズの中でも特に人気の高い 「天空シリーズ」
これは 『ドラゴンクエストIV』『ドラゴンクエストV』『ドラゴンクエストVI』 の3作品を指し、同じ世界の歴史を描いた物語としてファンの間で広く認知されています。
天空シリーズの特徴は、単に同じ世界観を共有するだけでなく、時代を超えた壮大なストーリーが展開されること。そして、何より 「天空」という共通のキーワードが各作品を繋いでいます。
しかし、天空シリーズのつながりは 公式が明確に語っているわけではなく、隠された要素や裏設定が多い ため、これまでさまざまな考察が生まれてきました。
天空シリーズの時系列とストーリー
天空シリーズの時系列は、ゲームの発売順とは異なり、『ドラクエVI』 → 『ドラクエIV』 → 『ドラクエV』 という流れになっています。
この順番でストーリーを追っていくことで、天空人の存在や天空の勇者の誕生、天空城の変遷などが繋がっていることがわかります。
それでは、各作品のストーリーを時系列順に詳しく見ていきましょう。
ドラゴンクエストVI ~幻の大地~(天空シリーズの起源)
『ドラクエVI』は、天空シリーズの中で最も過去の時代にあたる物語です。時代設定は明確にされていませんが、他の作品と比較して文明レベルや世界の状況から最も古い時代と考えられています。
二つの世界と「夢」というテーマ
主人公は、自分が生きている世界が「夢の世界」だと知らずに冒険を始めます。しかし、次第に 「夢の世界」と「現実の世界」は元々一つだった ことが判明します。この世界を引き裂いたのは魔王 デスタムーア であり、彼の支配を打破するために戦うことになります。
この「二つの世界」というテーマは、後のドラクエVIIやIXにも影響を与えているとされています。
ゼニスの城と謎の卵
物語の終盤では、天空に浮かぶ「ゼニスの城」 が登場し、後の時代に「天空城」と呼ばれる存在になります。
特に重要なのが、エンディングでは 城の中にある「卵が孵化する」 シーンが描かれることです。この卵の正体については明言されていませんが、後の時代に登場する「マスタードラゴン」の誕生を示唆している という説が濃厚です。
ドラゴンクエストIV ~導かれし者たち~(天空の勇者の誕生)
『ドラクエIV』では、天空城が重要な拠点として登場し、天空人と地上の人間の交流 が描かれます。時代設定としては、ドラクエVIから数百年〜数千年後と考えられています。
天空人と勇者の血筋
本作の主人公は、人間の父と天空人の母を持つ勇者 です。これは、後の時代に「天空の勇者」と呼ばれる血筋の始まりとされています。
この設定は、後のドラクエVにおける「天空の血を引く者」という重要な要素に繋がっていきます。
デスピサロと破壊された天空城
ラスボスである デスピサロ は、人間によって恋人を失い、憎しみのあまり「進化の秘法」を使って怪物化してしまいます。最終的に、勇者と仲間たちがデスピサロを倒し、世界を救うことになります。
また、本作では 天空城がダメージを受け、一部が破壊される という描写があります。『ドラクエV』では、天空城に「穴」が空いている ことが確認できるため、この二つの作品が直接つながっている証拠 となっています。
ドラゴンクエストV ~天空の花嫁~(天空の血を引く勇者)
『ドラクエV』は、天空シリーズの中で最も未来の時代にあたる作品 です。ドラクエIVから数百年後の世界とされています。
勇者ではない主人公と次世代への継承
本作の主人公は 天空の血を引く母・マーサと、グランバニア王国の王・パパスの間に生まれた子供 ですが、勇者の血筋を持ちながらも自分自身は勇者ではありません。
そのため、主人公自身は 天空装備を装備できず、代わりに彼の息子が天空の勇者となる という、これまでのドラクエとは異なる設定になっています。この「世代を超えた物語」というアプローチは、後のRPG作品にも大きな影響を与えました。
荒廃した天空城
本作では 『ドラクエIV』で登場した天空城が、荒廃した状態で登場 し、数百年の間に何らかの変化が起きたことが示唆されています。天空城の中で見られる大きな穴は、明らかにドラクエIVの戦いの痕跡と思われます。
また、マスタードラゴンは姿を消し、代わりに「幼いマスタードラゴン」が登場することから、何らかの理由で世代交代が行われたことが窺えます。
天空シリーズのつながりを示す根拠
天空シリーズが一つの世界観を共有していることを示す根拠は、いくつかのキーアイテムや登場人物、設定に見ることができます。以下では、その主な根拠を解説します。
1. 天空城の存在
天空シリーズのタイトル通り、「天空城」 の存在が大きなつながりの証拠になっています。
- ドラクエVI → 「ゼニスの城」として登場(まだ天空城とは呼ばれていない)
- ドラクエIV → 「天空城」として確立。マスタードラゴンが支配する。
- ドラクエV → 荒廃し、空に浮かぶ城の役割が衰えている。
この天空城の変遷は、三作品が同じ世界の異なる時代を描いていることを強く示唆しています。特に、ドラクエIVで破壊された痕跡がドラクエVに残っていることは、直接的なつながりの証拠と言えるでしょう。
2. 天空の勇者の血筋
天空シリーズでは、「天空の血」という概念が重要です。この血筋は作品を超えて引き継がれています。
- ドラクエIVの勇者 → 天空人の母と人間の父を持つ、天空の血を引く初の勇者。
- ドラクエVの主人公 → 天空の血を引くマーサを母に持つが、自身は勇者になれない。
- ドラクエVの主人公の息子 → 天空人の血をさらに受け継ぎ、「天空の勇者」として覚醒する。
この血筋の継承は、三作品が時系列でつながっていることを示す重要な設定です。
3. マスタードラゴンの存在
マスタードラゴンは、天空シリーズを通じて世界の管理者のような立ち位置にいます。その存在と変遷も三作品のつながりを示しています。
- ドラクエVI → 直接登場しないが、エンディングで孵化する「謎の卵」がマスタードラゴンの誕生を示唆。
- ドラクエIV → 天空城の主として登場。勇者を導く役割を担う。
- ドラクエV → 幼いマスタードラゴンが登場。世代交代が示唆される。
特にドラクエVIの「卵」とドラクエIVの「マスタードラゴン」の関係性は、公式では明言されていないものの、多くのファンが納得する要素となっています。
天空シリーズの裏設定と都市伝説
公式には明言されていないものの、ファンの間で語り継がれる裏設定や都市伝説もあります。これらが天空シリーズの魅力をさらに深めています。
テルパドール王国の建国者は誰か?
ドラクエVに登場する テルパドール王国 は、「かつて勇者のお供だった人物が建国した」と語られています。多くのプレイヤーは、この「勇者のお供」が ドラクエIVの仲間たち(導かれし者たち)の誰か ではないかと考えています。
特に有力な候補として、以下の二人が挙げられます:
- ミネア → 予知能力を持っており、テルパドールの女王「アイシス」の予知能力と似た特性を持つ。
- アリーナ → サントハイム王家の出身であり、王族の血筋を引くため、建国者に相応しい人物と考えられる。
この設定は、ドラクエIVとVを直接つなぐ重要な要素となっています。
デスタムーアとデスピサロの関係
ドラクエVIのラスボス「デスタムーア」とドラクエIVのラスボス「デスピサロ」の名前は、どちらも「デス」から始まります。これは単なる偶然なのか、それとも何らかの関係があるのか?
一部のファンの間では、「デスピサロはデスタムーアの残党または意志を継いだ存在ではないか」という考察があります。両者が似たような「世界を闇に染める」という目的を持っていることからも、この説が支持されています。
しかし、公式ではこの関係性について明言されておらず、純粋な考察の領域を出ていません。
天空シリーズとロトシリーズの関係
ドラクエシリーズには「天空シリーズ」の他に「ロトシリーズ」(ドラクエI、II、III)が存在します。これらのシリーズに関連性はあるのでしょうか?
公式ではっきりとは語られていませんが、以下のような考察があります:
- 天空シリーズとロトシリーズは別の世界の物語 — これは最も一般的な見解です。
- 天空シリーズはロトシリーズよりも遥か昔の物語 — ドラクエIIIの「伝説の装備」の中に「天空装備」が含まれていることから、この説も支持されています。
- ドラクエXIが両シリーズを結びつける — 最新作のドラクエXIでは、ロトの伝説と天空の伝説が同時に語られる場面があり、何らかの接点がある可能性が示唆されています。
天空シリーズを楽しむためのプレイ順序
天空シリーズを最大限に楽しむためには、どのような順序でプレイするのがベストでしょうか?
発売順プレイ
ドラクエIV → ドラクエV → ドラクエVI という発売順でプレイする方法です。
メリット:開発者が意図した順序で物語を体験できる。各作品の技術的進化を感じられる。 デメリット:時系列が前後するため、物語のつながりを理解しにくい場合がある。
時系列順プレイ
ドラクエVI → ドラクエIV → ドラクエV という時系列順でプレイする方法です。
メリット:世界の歴史を順を追って体験できる。伏線や回収を自然に理解できる。 デメリット:システム面で後退感を感じる可能性がある。
どちらの順序で楽しむにしても、三作品をプレイすることで、より深い世界観を体験することができるでしょう。
まとめ:天空シリーズは一つの大きな物語だった!
天空シリーズは、時系列順に並べると一つの大きな物語になっていることがわかります。
『ドラクエVI』で、天空シリーズの起源が語られる
『ドラクエIV』で、天空の勇者が誕生する
『ドラクエV』で、天空勇者の血が未来へ受け継がれる
公式の資料やリメイク版の追加要素からも、このつながりが明確になっています。この三部作が描く壮大な物語は、今なお多くのファンを魅了し続けています。
天空シリーズをプレイする際は、ぜひこの「つながり」を意識しながら楽しんでみてください。きっと新たな発見や感動があることでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。これからも色あせることのない天空シリーズの魅力を、ぜひ皆さんで共有していきましょう!